太陽光発電施設の弊害

 西日本豪雨の影響により、兵庫県姫路市林田町下伊勢で傾斜地の太陽光発電施設が約3600平方メートルにわたって崩れ、住民や通行人から不安の声が上がっている。
 
 これまでに周辺の人や建物への被害はないが、住民らは「雨が降る度に心配」「何か起きてからでは遅い」と設置者の企業に早期の対応を求めている。
 
 発電施設は自然エネルギー事業を展開する「グッドフェローズ」(東京都品川区)が2015年に整備した、姫路市内に大雨特別警報が発令された7日未明、地盤が幅約60メートル、長さ約60メートルにわたって崩れ、太陽光パネルとともに斜面の中腹部までずり落ちた。
 
 ふもとに住む男性(74)は「以前から雨が降るとヒヤヒヤしていた、自宅の方にパネルが滑り落ちてきたらどうなるのか」と不安を口にする。
 
 現場の真下には国道29号が通り、国土交通省姫路河川国道事務所によると、過去には隣接する別の太陽光発電施設から土砂が流出したこともあるという。
 
 毎朝通勤で利用するという同市北部の会社員女性(44)は「高校生の長男もバス通学で利用していて心配、何かあってからでは手遅れ。早く撤去してほしい」と望む。(井沢泰斗)