金融庁
財務省にノーを突きつけた
ささやかれる地銀のガバナンス危機に際し、金融庁はついに動きをみせはじめた。
東日本銀行は2016年に横浜銀行と経営統合し、コンコルディア・フィナンシャルグループを形成「第二地方銀行」に属し、東京を中心に83店舗を展開している。
茨城が地元なのに支店数は圧倒的に東京が多いため、同銀行は激烈な競争に巻き込まれ、経営基盤は脆弱だった。
東日本銀行は旧大蔵省とも関係が深く、歴代の頭取は旧大蔵省OBで、一部では「大蔵省銀行」といわれるほどであった。
寺澤氏と石井氏はともに旧大蔵省OBかつ元国税庁長官であり、寺澤氏は石井氏の先輩である。
地銀のトップが旧大蔵省OBのたらい回しでは、金融界のガバナンス強化を方針とする金融庁のメンツ丸つぶれだからだ。
金融庁が東日本銀行に業務改善命令を出したのは、このような人事が行われた後だ、同行はかねてから経営姿勢が問題視されていたが、これまで「大蔵省銀行」であったためか、かなりのお目こぼしを受けてきたとみられている。
『週刊現代』2018年8月4日号より