イタリアでの橋の壊滅的崩壊
2018年8月16日
今週イタリアでの橋の壊滅的崩壊は、崩壊しつつあるイタリアのインフラと、それがいかに生活に危険をもたらしているかを巡る国民の抗議を引き起こした。
今週ジェノバで、象徴的なモランディ高速道路高架橋が崩落した際 - これまでの死亡者39人 -イタリア報道機関や公的な人々の合意は、橋の事故が起こるべきして起きた惨事だということだった。
川や住宅や工業地帯崩壊をまたぐ高速道路の高架部分、約200メートルが何十台もの乗用車やトラック通過中、自動車がコンクリートと鉄のガードとともに下の地面に40メートル墜落し、現場は“この世の終わりのよう”だったと衝撃を受けた目撃者たちは言う。
正当な保守作業の欠如が、橋崩壊の原因だとされている、当時の気象条件は土砂降りの嵐と雷だったと報じられている、だがこうした条件は、高速道路の高架橋全体が揺れ、崩落した理由の説明には到底ならない。
モランディ橋は、51年前、1967年に建設された、二年前ジェノバ大学の工学教授が、構造が酷く劣化しているので、高架橋は完全に掛け替える必要があると警告した。
もし当局が長年にわたるpiecemeal修理作業ではなく、適切な行動をしていれば惨事が避けられていたはずであることに疑いの余地はない。
イタリア・マスコミ報道は、今回の事故は、イタリアで、過去五年間で五度目の橋崩壊だと報じているとBBCが伝えている。
現在他のインフラ施設も致命的事故になりかねないという恐怖の中、イタリア政府は道路やトンネルや橋や高架橋の全国的な安全性調査を呼びかけている。
イタリアが、一体なぜ、民生の向上ではなく、軍備更新や購入用の国家予算を増やしているかという、大衆のせっぱつまった要求の問題のはずだ。
トランプは、その数値を4パーセントへと倍増さえしている。
ヨーロッパの同盟諸国に対するワシントンの要求はトランプ以前からのものだ、バラク・オバマが大統領だった2015年のNATOサミットで、2パーセントの目標を満たすべく、予算割り当てを増やすというアメリカの圧力に、軍事同盟の全加盟国が同意していた。
NATO強化の主な理由として、ロシアによる武力侵略の脅威とされるものが再三繰り返された。
イタリアも他のヨーロッパ諸国同様、2015年サミット以来、年間軍事支出を毎年大幅に増加していることが数値でわかる、増加傾向は、十年来の減少の逆転だった。
ところが気がかりなのは、イタリアのエリザベッタ・トレンタ防衛大臣が、トランプの国家安全保障問題担当補佐官ジョン・ボルトンに、イタリア政府は、今後、NATOの目標額に必ず達するつもりだと請け合ったと報じられていることだ。
現在の数値に対し、イタリアの年間軍事予算を、およそ倍増するのだ。
一方イタリア国民は、社会的支出や民生インフラ削減という長年の緊縮経済に辛抱させられてきた。
マッテオ・サルヴィ副首相などの指導者たちも、時にNATOに対する不熱心な見解を述べていた。
今週の橋の大惨事後、ポピュリスト連立政権は、公共サービスへのより多くの投資という主張を繰り返した。
それにもかかわらず、イタリアはNATO予算増加というワシントンの要求を固守するとイタリア国防大臣が一体なぜ請け合うのだろう?五つ星運動に所属するトレンタ防衛大臣は90機のアメリカの新世代F35戦闘機を購入するという政府の約束は変わらないと言っている。
合計数値では、イタリアは過去十年間、軍事に約3000億ドル使った、過去十年間の支出は、2008年の金融崩壊前の安定していたドル価格にすれば、より多い。
余りに多くの緊急な社会的需要や、無視されてきた公共インフラを考えれば、目標値は、全く恣意的で、嫌悪さえ催すように思える。
しかもこのジレンマはイタリアに限らない、NATO加盟ヨーロッパ諸国全てが、ワシントンによって、無理矢理、軍事予算を大幅に増加させられている。
あらゆる脅しの後、ヨーロッパも応えているようだ、先月ブリュッセルで開催された年次NATOサミットで、アメリカ以外の加盟国が、国家軍事予算を合計で、一年間だけでも400億ドル増やしたとノルウェー人のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は吹聴した。
昨年、ロシアとの戦争時、軍隊の大量輸送を容易にするため、ヨーロッパの道路やトンネルや橋インフラは大規模改良が必要だとNATOの計画者連中が苦情を言っていたのはきつい皮肉だ。
ヨーロッパ各国政府は、特にNATO軍の要求を満たすため、民生交通ネットワークへの国家支出を増やさねばならないというのが含意だ。
この無鉄砲でばかげた支出は、全てロシアの脅威からヨーロッパ諸国民を守るという建前のためだ。
ところが、ヨーロッパ諸国民にとって最大の脅威は、ワシントンと手下のNATOたかりやが、安全な道路や橋や他のインフラ構築に使われるべきヨーロッパの資源を垂れ流していることなのは余りに明らかだ。