米の貿易戦争が恐慌をおこす?

 ロシア銀行が米国債保有額を減らした理由は、貿易戦争を踏まえた今後のドルの動きに対する懸念かもしれないと、ロシア民間大手銀行アルファ銀行のヘッドエコノミスト、ナタリア・オルロワ氏が指摘した。
 
 先に、ロシアは4月の米国債保有額を961億ドル(約10兆6000億円)から487億ドルに減らしたと米財務省が発表した、ロシアの保有額は16位から22位に下落した。
 
 「これは、今後のドルの動きに関する懸念を反映したものかもしれない、米が貿易戦争を引き起こす国である状況で、ドルが長期的に強化されると期待することは難しい」とオルロワ氏は述べた。
 
 また、多額の米国債はロシア銀行が外国為替平衡操作を行っていたことに関係しており、ロシア市場では操作のためドルが広く用いられていたとオルロワ氏は指摘。
 
 さらに、米国債保有額の削減は準備基金を管理する構造におけるロシア財務省の何らかの新たな優先事項を反映しているとオルロワ氏は見ている。
 
 オルロワ氏によると、ロシア銀行は欧州市場でのこの数ヶ月間にわたる不安定な状況により安くなった欧州通貨に投資する可能性がある。
 
 
 米国の主要な敵とは、ロシアや中国ではなく、米国債であるとナショナル・インタレスト誌が伝え、米政府がテクニカル・デフォルト(債務不履行)にますます近づいていると報じている。
 
 同誌によれば、米議会予算局(CBO)による最新のデータによると、米国の金利負担は国内総生産(GDP)の1.6%で、これは連邦政府の歳入の9.4%に等しい。
 
 しかし、2022年には、これらの数字はそれぞれ2.7%と16%になる、ただ同誌はこのようなシナリオを最も楽観的なものと評している。
 
 同誌は、それぞれおよそ1.2兆ドルの米長期国債保有している日本と中国の債権者の助けを借りて、米政府が債務繰り延べを求める公算が大きいと伝えている。
 
関連ニュース