豊洲市場には茶屋がない

 東京都の豊洲市場開場の認可が
卸売市場法に則しているのか?
1.取引の適正化
2.流通の円滑化
3.国民生活の安定

 潮待茶屋(買荷保管所)
 
 仲卸などで購入したいろんな商品を預かって貰い配送してもらう場所。
 
 築地場内に約300箇所に配送場所別に存在し商品チェック 氷 海水 真水で手当をして送り出す。
 
  「潮待茶屋」あるいは単に「茶屋」と呼ばれている、これは魚河岸が日本橋にあった頃、魚は東京市内に張り巡らされた河川・運河などの水路を使って船で配達しており、満潮を待って仕事をしていたことに由来する。
 
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 日本には「お茶屋」と呼ばれるものがいろんな場所にあります、伝統的には相撲の会場や歌舞伎の劇場、芸者さんがいるような街、あるいは墓地にもあったりします。
 
 別名「待合」茶屋は、顧客に対して物やサービスの取りまとめを行う場所です。
 
 たとえば相撲・歌舞伎のチケット取り扱いから、当日は贔屓筋が来たことを力士や役者に取り次ぐ、お弁当やおみやげの手配や終演後は接待会場に案内する、これが茶屋です。
 
 芸者さんを呼ぶためのお座敷の確保や、墓地での花や掃除の手配など、「一括で取りまとめてくれる」業者が「茶屋」というわけです。
 
 そういった「茶屋」では、当然お茶のサービスもありますが、残念ながら築地の「茶屋」はお茶はふるまいませんが、仕組みとしては同じ買った品物を取りまとめてくれる場所です。
 
 築地市場では、買出し人が複数の仲卸から品物を買います、マグロはここ、エビはここ、と専門があり、青果からも仕入れます、青果卸だけではなく、細かい対応としては場内にこういう「つま」や卵焼きや、チーズ、お茶の店もあります(関連という名称になります)。
 
 それをいったんまとめるのが「茶屋」、築地を上から見ると、扇形のメインの建物から櫛型に伸びている掛け屋根だけの一角があります。
 
 ここに品物を運んでもらい、トラックをつけて荷物を積み込んだり、ここから搬送業者や仲卸がターレや台車で運んだり、あるいは買出し人が直接受け取ったりします。
 
 これも築地の物流をスムーズに支えている重要な場所です、場内に入れば最初にぶつかるところですから注目してみてください、豊洲にはこれがありません。
 
 基本的に、どうやら豊洲の流通は一本線で想定されてみたいです。
 
 築地なら入荷のトラックが荷物を広げる場所と、出荷のトラックに積み込むためのスペースが共用されていますが、入荷と出荷は時間がずれているから、問題ありません。
 
 ややこしい細かい買いまわりも、「茶屋」の仕組みが支えます、しかし豊洲では卸棟と仲卸が別々で駐車場も別、入荷のトレーラーピットに集中する時間は大渋滞して、そのあとは無駄になります。
 
 仲卸で買ったものは、それぞれの仲卸が別々に駐車場まで(例のヘアピンカーブのスロープで)運ぶ、青果が必要ならいったん車を出して、広い道路をぐるりと回って青果の駐車場に入れてから買う。
 
 他の運用も、すべてこうした一本線で考えられています、画一的な品物をモノを見ることもなく、大口業者がまとめ買いをするなら、この運用でいけるかもしれません。
 
  築地市場の「茶屋」という古めかしい名前は、様々な種類のものが個別に取り扱われる、ヒューマンスケールでの物流の、伝統的な知恵の蓄積をいかにもあらわしているようではありませんか?
 

 築地魚河岸では配送制度は残っているようですが、豊洲からの仕入れで今までとは同じにはいかないじゃないかニャー